抄録
大腸癌症例が鼠径ヘルニアに併存することは,しばしば経験する.今回,外鼠径ヘルニアが併存したS状結腸癌の2症例に対して,計画的に切除標本をヘルニア門から摘出したので報告する.ヘルニア門を腹腔アクセスデバイス(GelPOINT Mini®)で保護したうえで,同部から標本を摘出.口側結腸に自動吻合器のアンビルを留置して腹腔内に戻した.ヘルニア門からガーゼやリニアステイプラーを挿入することで,腹壁ポートを3mmあるいは5mmとすることができた.鼠径ヘルニアはメッシュを使用して修復した.2例とも,合併症なく6病日に退院した.Numeric rating scale(0~10点)で疼痛評価し,最悪値は2点であった.両者とも,現在まで腫瘍およびヘルニアの再発を認めていない.