2019 年 80 巻 11 号 p. 1960-1964
症例はSjögren症候群(SS)の既往のある女性.血小板数0.8×104/μlで当院血液内科へ紹介となった.ウイルス感染やH. pylori感染はなく,SS・自己免疫性甲状腺疾患などに関する抗体価は高値であった.SSとBasedow病を合併したITPと診断し,PSLのみでの治療を行ったがステロイド抵抗性であったため,当院受診から11カ月後に腹腔鏡下脾臓摘出術を行った.脾摘後1カ月までに口腔・眼乾燥症状の軽快,血小板数,甲状腺機能の正常化,各抗体価の改善が得られた.脾摘後6カ月で症状に変化はなかったが甲状腺機能亢進,抗体価の再上昇を認め,甲状腺全摘術を行った.脾摘術後3年5カ月の現在,症状に変化なく,抗SS-B抗体価は脾摘前の1/2程度で維持されている.自験例においては,ITP,SS,Basedow病,橋本病それぞれの発症機序に共通の免疫機構の異常が推測された.