2019 年 80 巻 12 号 p. 2142-2147
腋窩部副乳癌に対する術式は局所広範囲切除術+腋窩リンパ節郭清が標準とされるが,その半数以上は腋窩リンパ節転移を認めないという報告がある.センチネルリンパ節生検の結果を元に腋窩リンパ節郭清を省略できれば,リンパ浮腫を含めた上肢・肩関節障害の発生リスクを低減でき患者のQOL維持に繋がる.
今回われわれは,腋窩部副乳癌に対し局所広範囲切除術+センチネルリンパ節生検を施行した1例を経験した.文献的考察を加え,副乳癌に対するセンチネルリンパ節生検の適応について検討する.
74歳,女性.右腋窩に1.5cm大の硬い腫瘤を認め,精査の結果,右腋窩部副乳癌と診断し,局所広範囲切除術+センチネルリンパ節生検を施行した.センチネルリンパ節生検において色素法とradioisotope法(RI法)を併用し,RI法にて術前にセンチネルリンパ節が腋窩に存在することを確認した上で手術を施行した.センチネルリンパ節生検の結果,リンパ節転移を認めず腋窩リンパ節郭清は省略した.