日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳腺低異型度腺扁平上皮癌の1例
藤井 清香椎木 滋雄
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2019 年 80 巻 2 号 p. 271-276

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抄録

乳腺の低異型度腺扁平上皮癌は化生癌に分類されるが,予後は良好な疾患である.今回,右乳癌に対し温存術を行い,8年後に同側乳房に低異型度腺扁平上皮癌を発症した1例を経験したので報告する.

症例は43歳,女性.右乳癌術後の経過観察中,超音波検査にて右乳房手術創近傍に低エコー腫瘤を認めた.針生検で浸潤性乳管癌と診断されたため,手術治療を行った.術後病理組織診断で低異型度腺扁平上皮癌と診断された.右乳癌と同時に左乳房にもDCISを認め,同時に手術を行った.術後,補助療法は行わず,経過観察中である.本疾患は,BRCA1遺伝子変異との関連が示唆されているため,遺伝性乳癌・卵巣癌症候群を念頭に置き,診断後のサーベイランスには注意を要する.

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© 2019 日本臨床外科学会
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