日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳頭部に発生し皮膚浸潤をきたした乳腺浸潤性小葉癌の1例
福井 由紀子水田 誠遠藤 真一郎坪野 充彦足立 靖
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2019 年 80 巻 2 号 p. 277-281

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抄録

乳頭部乳癌はまれであり,そのほとんどが浸潤性乳管癌で,浸潤性小葉癌の国内報告はない.今回,乳頭部に発生し皮膚浸潤をきたした浸潤性小葉癌を経験したので報告する.症例は62歳,女性.右乳頭部の出血を主訴に受診した.乳頭部に一部びらんを認めたが,マンモグラフィ・超音波では腫瘤を認めなかった.びらん部分の擦過細胞診はClass IIの診断であった.16カ月後の再受診時,右乳頭は初診時より硬く,悪性の可能性を考え乳頭部の皮膚パンチ生検を施行した.病理診断は浸潤性小葉癌の皮膚浸潤であり,右乳房全切除術+腋窩リンパ節郭清(level I)を行った.切除標本の病理組織診断は浸潤性小葉癌,T1N1M0 Stage IIAであった.術後1年3カ月経過した現在,無再発生存中である.

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© 2019 日本臨床外科学会
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