日本臨床外科学会雑誌
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症例
S状結腸憩室炎による結腸子宮瘻および子宮留膿腫の3例
藤田 昌久石川 文彦新田 宙釜田 茂幸伊藤 博
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2019 年 80 巻 3 号 p. 545-550

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抄録

症例1は61歳の女性,腹痛で受診した.CT検査でS状結腸は子宮と近接し,S状結腸憩室と子宮内ガスを認め,S状結腸憩室炎による結腸子宮瘻と診断し,S状結腸切除を行った.症例2は81歳の女性,膿性帯下で前医を受診.子宮留膿腫の診断で経膣ドレナージを行った後,貧血精査目的に紹介となった.CT検査で子宮内にガスを含む液体貯留を,注腸でS状結腸憩室と造影剤の腸管外流出を認め,S状結腸憩室炎による結腸子宮瘻から生じた子宮留膿腫と診断し,S状結腸切除と瘻孔縫合閉鎖を行った.症例3は85歳の女性,腹痛で受診した.CT検査で遊離ガス・S状結腸憩室・骨盤内膿瘍を認め,S状結腸憩室穿孔と診断したが,手術所見はS状結腸憩室炎による結腸子宮瘻から生じた子宮留膿腫穿孔であり,S状結腸切除と子宮両側付属器切除を行った.大腸憩室炎による結腸子宮瘻は極めてまれであり,大腸憩室炎による結腸子宮瘻から生じた子宮留膿腫の報告は本邦で初めてである.

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