日本臨床外科学会雑誌
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症例
切除により長期生存(7年6カ月)が得られた胃癌同時性単独脳転移の1例
三島 江平尾曲 健司服部 俊昭橋本 健夫松井 芳夫田村 明彦
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2019 年 80 巻 3 号 p. 539-544

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抄録

胃癌の同時性単独脳転移の症例を経験したので報告する.症例は81歳の男性で,突然の意識消失と痙攣のため救急搬送となった.頭部CT検査で右前頭葉に周囲浮腫を伴う1cm大の腫瘍性病変を認め,脳腫瘍に伴う症候性てんかんの診断で緊急入院となった.痙攣症状が薬物治療に不応のため,準緊急で開頭脳腫瘍摘出術を施行した.病理診断は腺癌であった.原発巣診断目的で施行した上部消化管内視鏡検査および腹部造影CT検査の結果,体下部小弯に周囲リンパ節の腫大を伴う3型の進行胃癌を認めた.画像上,腹膜播種や肝転移を含むその他の非切除因子は認められず,D2郭清を伴う幽門側胃切除術を施行した.病理診断はT3(SS),N3aであった.術後経過は良好で4年間の無再発生存が得られた.胃癌の同時性単独脳転移の報告は少なく,外科的切除により長期生存が得られた稀な症例と考えられた.

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© 2019 日本臨床外科学会
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