日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前に診断した大腸癌肝外胆管転移の1例
籠浦 正彬門田 一晃重西 邦浩黒瀬 洋平日置 勝義貞森 裕大野 聡
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キーワード: 大腸癌, 胆管転移, 肝外胆管
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2019 年 80 巻 3 号 p. 558-563

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抄録

症例は73歳の男性.2015年11月にS状結腸癌に対してS状結腸切除術を施行し,病理診断はpT3N0M0,pStage IIであった.2017年2月に異時性肝転移を認め,同年5月に肝拡大後区域切除および6箇所の肝部分切除を施行した.病理検査ではS状結腸癌の肝転移であり,転移巣周囲に組織学的胆管侵襲を認めた.同年11月にCEA上昇があり,造影CTで三管合流部の総胆管に14mm大の結節影を認めた.ERCPとIDUSでは,腫瘍が胆管壁から胆管内に発育する所見を認めた.胆管擦過細胞診の免疫組織染色はCK7(-),CK20(+),CDX2(+)で,S状結腸癌の胆管転移と診断し,肝外胆管切除および総肝管空腸吻合を施行した.摘出標本では,胆管壁を主座とし内腔に突出する腫瘤を認め,H.E.・免疫染色共に原発巣と肝転移巣の病理所見と類似しており,大腸癌の肝外胆管転移と診断した.

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© 2019 日本臨床外科学会
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