日本臨床外科学会雑誌
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症例
針生検で浸潤性小葉癌が疑われた乳腺筋線維芽細胞腫の1例
鎌田 順道宮前 拓萩原 英之
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キーワード: 筋線維芽細胞腫
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2019 年 80 巻 6 号 p. 1067-1072

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抄録

症例は65歳,男性.2~3年ほど前から右乳頭直下の腫瘤を自覚しており,当科を受診した.右乳頭直下に2cm程度の腫瘤を認め,針生検では浸潤癌(浸潤性小葉癌の疑い)となり,手術を施行した.組織学的には,細胞質の乏しいやや異型的な細胞が浸潤性に不規則な増殖を示していた.個々の細胞は比較的明瞭な核の大小不同傾向を示すが,核クロマチンは比較的良く揃っていた.免疫染色では上皮系マーカー,リンパ球マーカーが陰性で示し,間葉系マーカーのα-SMA,vimentin,desmin,CD34が陽性を示したことから筋線維芽細胞腫の診断となった.筋線維芽細胞腫は乳腺間質の線維芽細胞や筋線維芽細胞に由来する極めて稀な腫瘍であり,病理診断が難しいと報告されている.診断には免疫染色が必須となる.鑑別として浸潤性小葉癌や悪性葉状腫瘍があげられ,病理診断の際には念頭に置くべき疾患と考えられた.

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