2019 年 80 巻 6 号 p. 1073-1078
症例は64歳,女性.左乳房腫瘤の急速な増大を主訴に受診した.超音波検査,針生検などを施行し乳癌と診断され,術前化学療法の後手術を行った.術後1カ月,CTで局所再発,リンパ節転移,肺転移,肝転移が認められた.肝転移については発熱と白血球数高値が持続していたため一時肝膿瘍を疑って穿刺したが,細菌は検出されず細胞診の結果,転移と診断された.プロカルシトニンも0.61ng/mlと低値であった.その後も白血球数高値が遷延したためG-CSF産生腫瘍を疑った.血清G-CSF値は54pg/mlと高値であり,手術検体を抗G-CSF抗体で染色し直したところ陽性細胞が確認されG-CSF産生乳癌と診断した.化学療法の効果は乏しく腫瘍は急速に転移,増大し,術後5カ月で永眠した.