2019 年 80 巻 6 号 p. 1212-1217
症例は61歳,女性.胃潰瘍の精査時に肝S4の嚢胞性腫瘍を指摘され当科紹介となった.CT所見は内部隔壁,cyst in cystの所見を伴う16mmの嚢胞性病変で肝粘液性嚢胞腫瘍(以下,肝MCN)が疑われたが,手術希望はなく経過観察となった.3年後に腫瘍径は29mmに増大,内部隔壁は肥厚しており手術の方針とし,腹腔鏡下左肝切除術を施行.摘出標本は多房性嚢胞性病変で,内部に粘液を認めた.病理組織学的診断では,卵巣様間質を伴っており,肝MCNの診断であった.術後合併症を認めず,13日目に退院となった.
肝MCNは稀な肝の嚢胞性腫瘍であり,完全切除を行えば予後が良好と言われている.肝MCNは低悪性腫瘍であり,低侵襲で行える腹腔鏡下肝切除術は良い適応と思われた.