日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
外傷性胆嚢損傷を契機に発見された胆管非拡張型膵・胆管合流異常の1例
廣島 裕也篠原 永光福田 洋住友 正幸吉田 金広川上 行奎
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 80 巻 6 号 p. 1218-1222

詳細
抄録

症例は38歳,男性.空手の練習中に心窩部を蹴られ,腹痛と嘔吐を主訴に受診した.腹部CT検査で胆嚢損傷を疑い,同日に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った.胆嚢に明らかな穿孔を伴わない胆汁性腹膜炎であった.術中胆道造影で約20mmの共通管を確認し,胆管非拡張型膵・胆管合流異常を疑った.摘出胆嚢は病理組織検査でBiliary intraepithelial neoplasia(BilIN)-1,BilIN-2と診断した.退院後,ERCP検査で長さ23mmの共通管および胆管内の高アミラーゼ胆汁を確認し,胆管非拡張型膵・胆管合流異常と診断した.胆管癌発症リスクを踏まえ,予防的肝外胆管切除術を施行した.摘出胆管は慢性炎症所見以外に,悪性所見はなかった.外傷性胆嚢損傷を契機に発見された無症状の胆管非拡張型膵・胆管合流異常の1例は極めて稀なため報告する.

著者関連情報
© 2019 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top