日本臨床外科学会雑誌
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症例
ECMO補助下に手術を施行した右肺全摘後左気胸の1例
亀田 洋平諸星 隆夫古賀 大靖三品 善之安藤 耕平益田 宗孝
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2019 年 80 巻 8 号 p. 1449-1453

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抄録

症例は72歳,男性.10年前に肺癌に対して右肺全摘術の既往があった.突然の呼吸困難のため当院へ救急搬送され,左気胸の診断で入院し胸腔ドレナージを開始した.右肺全摘後であることと,急性心筋梗塞など合併症を有していたことから保存的加療の方針となった.胸腔内癒着術を計6回施行したが,それでも空気漏れは停止せず,手術を行った.術前から呼吸状態不良であり術側肺換気下でも酸素化を維持できないと想定されたため,体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)を用いて手術を行った.左右大腿静脈に送脱血カニューレを挿入し体外循環を行い,左肺の気漏部分に対して肺部分切除を行った.術後は在宅酸素療法指導後に自宅退院した.低肺機能の気胸患者に対して手術を行う場合の選択肢として,体外循環の補助が挙げられる.同様の症例の報告は稀であり,本症例の経験を報告する.

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© 2019 日本臨床外科学会
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