日本臨床外科学会雑誌
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症例
妊娠中期に手術を施行した原発性副甲状腺機能亢進症の1例
長久保 翔子尾身 葉子小川 正樹増井 憲太岡本 高宏
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2019 年 80 巻 9 号 p. 1593-1597

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抄録

妊娠中に原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)を合併すると子宮内発育遅延,子宮内胎児死亡,新生児テタニーなどの懸念がある.今回,われわれはPHPTの手術待機中に妊娠が判明し,妊娠中期に手術を行った1例を経験した.症例は34歳の女性.健診で高カルシウム(Ca)血症(10.7mg/dL)を指摘された.血中副甲状腺ホルモン値(i-PTH)の上昇とエコーで左上副甲状腺の腫大を認め,PHPTと診断され,手術目的に当院へ紹介された.Ca値の上昇が軽度の無症候性PHPTと判断し,患者の希望もあり経過観察となった.6年後,Caが11.2mg/dLと上昇し,かつ左上副甲状腺の増大も認め,手術を予定した.手術待機中に妊娠(6週4日)が判明し,安定期の妊娠17週0日で手術を施行した.摘出標本の病理診断は腺腫であった.術後,i-PTH値およびCa値は正常化し,妊娠39週6日に自然分娩で3,044gの健常な女児を出産し,母児共に経過良好である.

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