日本臨床外科学会雑誌
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症例
孤立性に右心室転移をきたした肝細胞癌の1例
齋藤 智哉長津 明久横尾 英樹神山 俊哉武冨 紹信
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キーワード: 肝細胞癌, 心転移, 孤立性
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2019 年 80 巻 9 号 p. 1739-1743

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抄録

症例は68歳,男性.検診を契機に肝内側区に17cm大の腫瘤性病変を指摘され,肝細胞癌の診断で肝左葉切除を施行した.1年4カ月後,労作時呼吸困難があり近医を受診.右室に3cm大の充実性腫瘤を認め,肝細胞癌の右心室内転移疑いの診断となった.心不全を呈し,頓死の危険性もあるため,右室腫瘍切除術および三尖弁置換術を施行した.術後経過は良好で,術後15日目に退院となった.病理は肝細胞癌の右心室転移の所見であった.術後3カ月目のCTで第四腰椎骨転移・右肺転移・右横隔膜角転移を認め,ソラフェニブによる分子標的療法を開始したが,間質性肺炎などの副作用が生じたため中止し,以後緩和医療の方針となった.転移巣摘出から1年1カ月経過した現在も生存中である.肝細胞癌フォロー中に,心不全兆候を呈した場合には,心転移を念頭に置いた精査の必要がある.肝細胞癌の孤立性心転移に対して確立された治療法はなく,今後も検討が必要である.

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© 2019 日本臨床外科学会
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