日本臨床外科学会雑誌
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症例
人工血管置換および大網被覆により救命した一次性大動脈十二指腸瘻の1例
髙橋 巴久神谷 信次須田 久雄
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2020 年 81 巻 2 号 p. 233-238

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抄録

一次性大動脈腸管瘻は非常に稀な病態であるが,未治療では高率で死に至ることで知られている.今回,腹部大動脈瘤による一次性大動脈十二指腸瘻を経験したため報告する.症例は78歳,男性.吐血を主訴に受診した.CTで十二指腸に隣接する最大短径65mmの腹部大動脈瘤および瘤内遊離ガス像を認めたことから,大動脈十二指腸瘻が疑われ,緊急手術となった.術中,瘤内から十二指腸水平脚に瘻孔を認め,瘻孔を直接縫合閉鎖した.また,腎動脈下腹部大動脈と両側総腸骨動脈をリファンピシン浸漬人工血管で解剖学的に再建した.さらに,大網で瘻孔部を被覆して人工血管との間に介在させ手術を終了した.術後15日目に自宅退院となり,現在も感染兆候なく経過している.

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