日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
慢性塞栓症の放置で足趾自然脱落に至りその後破裂した膝窩動脈瘤の1例
北田 悠一郎松本 春信
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 81 巻 2 号 p. 239-242

詳細
抄録

膝窩動脈瘤は血栓塞栓症を契機に発見される場合が多いが,慢性塞栓症が放置され,足趾壊死から足趾の自然脱落に至り,かつ膝窩動脈瘤破裂をきたしたとする報告はない.また,膝窩動脈瘤破裂の治療は外科的血行再建が第一選択であるが,その術式に関しては議論がある.今回われわれは,膝窩動脈瘤に起因する慢性塞栓症の放置により足趾の自然脱落に至った膝窩動脈瘤破裂に対し,内側アプローチにより瘤切除+バイパス術を施行した症例を経験したので報告する.

症例は87歳,女性.意識障害およびショックで当院へ搬送された.来院時,右大腿部腫脹,右第3-5足趾の脱落を認め,造影CTで膝窩動脈瘤破裂と診断した.足趾の脱落後も医療機関を受診せず,膝窩動脈瘤が破裂に至るまで放置されていた.内側アプローチによる大伏在静脈を用いた浅大腿-遠位膝窩動脈バイパス+瘤切除術および足部デブリードマンを施行した.術後経過は良好で,第23病日に療養目的で転院した.

著者関連情報
© 2020 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top