2020 年 81 巻 2 号 p. 267-270
胃癌の肺転移は癌性リンパ管症や癌性胸膜炎で発症することが多く,胃癌術後の孤立性肺転移の頻度は低い.孤立性肺転移症例に切除が有効との報告があるが,外科的治療の意義が明らかになっていない.
当院で胃癌術後に孤立性肺転移をきたし,外科的切除を施行した5症例を対象とした.肺転移再発までの期間は中央値が22カ月で,全例が12カ月以上だった.肺切除後の生存期間は中央値が45カ月(8-96カ月)で,5年生存率が40%だった.胃切除後に肺転移再発までの期間が30カ月以上だった2例は再発無く,肺切除後に5年以上の生存期間を認めた.胃癌切除後の孤立性肺転移症例では,肺切除後に良好な予後が得られる症例が認められた.特に,胃癌切除後から再発までが30カ月以上の長期間の症例は,良好な予後が望める可能性があるので,積極的に手術を考慮すべきであると考えられた.