日本臨床外科学会雑誌
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症例
結核性腹膜炎後に2回の完全腹腔鏡下肝切除術を施行した肝細胞癌の1例
高木 忠隆高 済峯松本 弥生向川 智英石川 博文渡辺 明彦
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2020 年 81 巻 2 号 p. 312-316

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抄録

症例は60歳の男性で,C型慢性肝炎にて経過観察中であった.腹部造影CTで肝S4に10mm大腫瘤を認め,肝細胞癌と診断されたため当科へ紹介となった.結核性胸腹膜炎の既往があり腹腔内全体の癒着が想定されたが,肝表面の単発病変であったため,腹腔鏡下肝S4部分切除術を施行した.肝周囲から臍下まで癒着を認めたが,腹腔鏡下に剥離して手術を行い,合併症なく術後7日目に退院となった.8カ月後,肝S7領域,右横隔膜下に新たな12mm大肝細胞癌が出現した.今回も肝表面の小病変であり前回肝切除部から離れていたため,腹腔鏡下肝S7部分切除を施行した.肝切除後の癒着は高度であったが,同部位の剥離は最小限とすることで安全に手術を行えた.合併症なく術後9日目に退院した.初回手術より1年9カ月を経過した現在,無再発生存中である.結核性腹膜炎による癒着症例において,安全に2回の腹腔鏡下肝切除術を施行することができた.

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