日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下肝部分切除を行った高度脂肪化を伴い鑑別に苦慮した肝細胞癌の1例
船水 尚武本多 正幸三島 江平五十嵐 一晴尾崎 貴洋若林 剛
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2020 年 81 巻 2 号 p. 307-311

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抄録

症例は70歳,男性.1カ月前より背部痛を自覚し,当院消化器内科を受診した.腹部造影CTで左横隔膜下に5cm大の腫瘤を認め,腫瘤は肝外側区域,左横隔膜および脾臓に接していた.内部は不均一で脂肪成分が多くを占めていた.早期相で不均一に造影効果を認め,後期相でその効果は遷延した.MRIでも腫瘍の内部に脂肪成分が示唆され,拡散強調画像で高信号であった.以上の所見から,肝外病変であれば脂肪肉腫,肝内病変であれば血管筋脂肪腫または肝細胞癌が疑われた.診断および治療目的で当科紹介となり,手術を行う方針となった.腹腔鏡下に腹腔内を観察したところ肝由来であることが判明し,腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.病理組織学的に高度な脂肪化を伴う中分化型肝細胞癌と診断された.高度脂肪化を伴う5cm大の中分化型肝細胞癌は比較的稀で,また肝外発育する例は少ない.高度な脂肪化を伴い鑑別診断に苦慮した肝細胞癌に対して腹腔鏡下に切除術を施行した1例を経験したので報告する.

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