2020 年 81 巻 2 号 p. 343-348
症例は61歳,男性.心窩部痛にて紹介受診され,精査加療を行った.画像検査では膵尾部に50×30mm大の造影効果の乏しい腫瘤影を認め,膵癌が疑われた.一方,膵頭部主膵管内に膵尾部腫瘍と連続しない主膵管内結節が認められた.膵尾部腫瘍生検では腺房細胞癌成分を伴うmixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplasm (MiNEN)と診断され,主膵管内結節は擦過細胞診にて膵尾部組織と類似した高異型度細胞集塊を認めた.膵尾部MiNENとMiNENに由来する膵頭部主膵管内腫瘍栓と診断し,両病変に対して膵全摘術を施行した.病理検査の結果,膵尾部MiNENを認め,膵頭部の主膵管内腫瘍は主腫瘍から主膵管内へintraductal polypoid growth (IPG)しているものであった.Ki-67は50%を呈しており,術後4カ月時に肝転移再発を認め,エベロリムスを開始したが術後1年で死亡した.IPGを伴うMiNENの報告は非常に稀であり,文献的考察も含めて報告する.