症例は33歳,男性.検診胸部異常影,無症状で当院紹介となった.精査にて椎体右側に沿って上下方向に11cmの境界明瞭,表面平滑な腫瘤を認めた.腫瘤は,頭側は第10胸椎下縁から第2腰椎上縁の右腎動静脈下端まで進展していた.造影CTでは比較的造影効果に乏しかった.神経原性腫瘍を疑い手術を施行した.CO2送気を併用し横隔膜を尾側へ圧排し視野を確保して胸腔鏡下に摘出を試みた.術前にAdamkiewicz動脈を評価し,術後の乳糜胸にも備え手術に臨んだ.手術は左下側臥位,4ポートで開始した.交感神経由来と思われる腫瘍は交感神経幹に沿って頭尾方向に進展していた.頭側より順次尾側に進み下部では胸管に細心の注意を払った.最下部では腫瘍を頭側に強く牽引して操作を行い摘出した.手術時間155分,出血少量.術後軽度の乳糜胸を発症したが,保存的に治療を行い軽快,第13病日に退院した.術後9カ月経過し,再発なく経過良好である.