日本臨床外科学会雑誌
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症例
貧血症状を契機に診断された赤芽球癆を伴った胸腺腫の1例
松本 高典岩永 幸一郎今井 幸弘
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キーワード: 赤芽球癆, 胸腺腫
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2020 年 81 巻 3 号 p. 428-434

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抄録

症例は63歳,男性.6カ月前から労作時の倦怠感を自覚していた.1カ月前に立ちくらみを認めたため近医を受診した.貧血を認め,精査目的に当院を紹介受診した.精査にて赤芽球癆の診断となり,輸血治療が行われた.精査中に胸部CTにて前縦隔腫瘍を指摘され,胸腺腫が疑われた.院内で治療方針を検討し免疫抑制剤を開始する前に手術を先行する方針となった.手術は胸骨正中切開アプローチによる拡大胸腺摘出術を施行し,術後の経過は良好であった.病理結果はWHO分類type ABの胸腺腫であった.術前は貧血のため複数回の輸血が必要であったが,術後の貧血の進行は緩徐であった.術後30日目に貧血の進行に対して輸血を行い,シクロスポリンの経口投与が開始された.その後は貧血の改善を認め,輸血なく経過した.赤芽球癆を合併した胸腺腫を経験したため,過去の本邦報告症例の考察を加えて報告する.

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