日本臨床外科学会雑誌
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症例
S状結腸神経鞘腫の1例
中村 崇宣川嶋 和樹木村 美咲貝羽 義浩
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キーワード: 神経鞘腫, 大腸, FDG-PET
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2020 年 81 巻 4 号 p. 719-723

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抄録

症例は81歳,女性.腹痛,下血を主訴に近医を受診し,虚血性腸炎の診断にて当院へ紹介となった.入院時の腹部造影CTにてS状結腸に35mm大の腫瘍を指摘され,下部消化管内視鏡検査を施行したが,粘膜面からは腫瘍を指摘できなかった.Fluorodeoxyglucosepositronemission tomography (FDG-PET)では同部位にSUVmax8.6の集積を認め,悪性腫瘍の可能性も考え,診断を兼ねて手術の方針となった.手術では腫瘍はSD junction近傍のS状結腸に存在しており,S状結腸切除術を施行した.病理組織学的には免疫染色でS-100陽性,α-SMA陽性,c-kit陰性,CD34陰性,DOG1陰性であり,神経鞘腫の診断となった.大腸原発の神経鞘腫はまれであり,粘膜下腫瘍の形態をとることから術前診断は困難なことが多い.本症例でも粘膜面から腫瘍を同定できず,生検が施行できなかったため診断に難渋した.神経鞘腫は基本的には良性疾患であるが,FDG-PETで集積が亢進することが知られており,悪性疾患との鑑別を要する.そのため,慎重な治療方針の検討が必要である.

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