2020 年 81 巻 4 号 p. 724-729
症例は68歳,男性.繰り返す膀胱炎の精査にて,膀胱浸潤による瘻孔を伴う局所進行S状結腸癌が指摘された.術前化学療法により癌の縮小が得られ,腹腔鏡下で根治術を施行した.膀胱瘻部分は腹腔鏡・膀胱鏡の双方から観察しつつ全層切除を行い,迅速病理診断で切離面陰性を確認した.病理組織検査所見では,高-中分化型腺癌,ypT4b(膀胱),yp N0,M0,ypStage II cの診断であった.術前化学療法により,臓器機能の温存と低侵襲手術,癌の根治性のいずれもが得られた1例を経験したので報告する.