日本臨床外科学会雑誌
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症例
妊娠中に再発したLadd手術後中腸軸捻の1例
長野 心太久保田 良浩高岸 智子篠塚 淳青木 昭和
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キーワード: 妊娠, 中腸軸捻, 再発
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2020 年 81 巻 7 号 p. 1324-1328

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抄録

妊娠27週5日の32歳,女性.心窩部痛と嘔吐を主訴に救急搬送された.腹部単純CTで中腸軸捻が疑われたため新生児科医および産科医の立ち会いのもと,緊急手術を施行した.Treitz靱帯の形成はなく,上腸間膜動脈を中心として小腸・盲腸・上行結腸が時計回りに360°軸捻転していたため,腸回転異常症に伴う中腸軸捻と診断し,捻転を解除した.腸管の虚血性変化は軽度で腸管切除は要さなかった.術後は一過性に子宮収縮を認めたものの,経過良好で術後9日目に退院となった.妊娠中に生じる中腸軸捻の報告は非常に少なく,国内では2例目である.母児ともに予後良好に治療しえたので報告する.

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© 2020 日本臨床外科学会
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