日本臨床外科学会雑誌
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症例
双茎皮弁で閉腹した腹部コンパートメント症候群合併急性膵炎の2例
宮崎 大飯村 泰昭福田 直也佐藤 暢人長谷川 直人平野 聡
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2020 年 81 巻 7 号 p. 1407-1412

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抄録

症例1は78歳の女性.胆石性膵炎の診断で当院に救急搬送され,入院翌日に腹部コンパートメント症候群(abdominal compartment syndrome: 以下ACS)を発症し開腹減圧術を施行した.術後14日目に胆嚢摘出および両側腹部の双茎皮弁を正中に移動することで腹壁形成術を行い閉腹した.症例2は39歳のロシア人男性.重症急性膵炎の診断で当院に救急搬送され,入院翌日にACSを発症し開腹減圧術を施行した.術後52日目に同様な方法で腹壁形成術を行い閉腹した.ACSに対するopen abdominal management後の閉腹は腹壁の離開が大きいと困難となるが,本法を用いれば対応可能である.

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© 2020 日本臨床外科学会
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