日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
粘膜下腫瘍様形態を呈した胃癌壁内転移の1例
松本 萌齊藤 準頼木 領永川 裕一勝又 健次土田 明彦中西 邦昭
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 82 巻 4 号 p. 711-716

詳細
抄録

症例は79歳,男性.右側腹部の違和感を主訴に受診.腹部CTにて胃前庭部より発生し,膵体部浸潤を伴う粘膜下腫瘍を指摘された.その後の上部消化管内視鏡検査にて胃角部後壁に3型病変を認め,病理組織学的に中分化型管状腺癌であった.以上より,進行胃癌と胃粘膜下腫瘍の合併と診断し外科的切除の方針となった.術中所見で胃粘膜下腫瘍は膵体部と横行結腸間膜に浸潤しており,幽門側胃切除,膵体部分節切除,横行結腸間膜合併切除術,リンパ節郭清を施行し,尾側膵を残胃後壁に吻合し,Billroth I法にて再建した.病理組織学的には胃角部の3型病変は固有筋層に浸潤する高分化型管状腺癌で,胃粘膜下腫瘍は胃角部腫瘍と類似の組織像からなり,胃癌の壁内転移と診断された.今回,胃粘膜下腫瘍様形態を呈し,術前に胃癌の壁内転移の診断が困難であった1例を経験したので報告する.

著者関連情報
© 2021 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top