日本臨床外科学会雑誌
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症例
月経周期との同期が明らかでなかった胸腔子宮内膜症性気胸の1例
松田 英祐佐藤 創
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2021 年 82 巻 8 号 p. 1504-1507

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抄録

症例は47歳,女性.右気胸の既往がある.初回気胸から半年後に右気胸が再発した.CTでブラなど責任病変は不明であった.再発気胸であり胸腔鏡手術を行ったが,肉眼的,組織学的に責任病変は不明であった.術後2年間で右気胸が2回再発したが,いずれの気胸の際にもその前後に月経開始はなかった.初回気胸より4年後,5回目の右気胸が発生し,その6日後に月経開始となり,再手術を行った.肉眼的に横隔膜の小孔を確認し,これを切除した.組織学的に子宮内膜組織も証明され,胸腔子宮内膜症性気胸と診断した.本疾患では月経周期との同期が不明なこともある.子宮内膜症による横隔膜の小孔の確認や組織診断には胸腔鏡手術を要するが,子宮内膜組織の周期的変化のため小孔は修復閉鎖され,組織診断が得られないことも多い.組織診断には手術時期の考慮が重要であり,月経開始直前または開始後早期が望ましい.

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