2021 年 82 巻 9 号 p. 1694-1698
症例は18歳,男性.右下腹部痛,下痢を主訴に前医を受診し,急性虫垂炎の疑いで当院を紹介され受診した.来院時,腹部造影CTで回盲部の腸重積を疑われ,腹腔鏡下に手術を行った.術中所見では回腸末端および盲腸が上行結腸に陥入していた.盲腸は暗赤色で壁は肥厚し,周囲のリンパ節も腫脹していた.腸管血流不全や腫瘍性病変が否定できないことから,腹腔鏡補助下に回盲部切除術を施行した.病理組織学的検索で,Bauhin弁を中心に小隆起を数箇所に認め,盲腸には壁肥厚と周囲のリンパ節腫脹を認めた.回盲部の粘膜内にリンパ濾胞の増殖したリンパ組織を認め,lymphoid hyperplasia (以下,LHと略記)による腸重積と診断した.