日本臨床外科学会雑誌
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症例
大量小腸切除を行った放射線性回腸炎による腸閉塞の1例
井田 晃頌榎田 泰明田中 成岳平井 圭太郎坂元 一郎小川 哲史
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2021 年 82 巻 9 号 p. 1689-1693

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抄録

症例は80歳,女性.約4年前に子宮頸癌に対する根治的放射線治療の既往を有する.その後,腸閉塞による入院歴が4回あり,いずれも保存的に軽快していた.今回,腹部膨満および腹痛が再燃したため,当院救急外来を受診した.CT,イレウスチューブ留置後のガストログラフィン造影で放射線性回腸炎に伴う腸閉塞と診断し,手術の方針とした.術中所見では終末回腸の白色硬化とその口側回腸の漿膜面に点状の白色変化と壁肥厚を認めた.これら病変部を含め,約150cmの大量回腸切除を伴う腹腔鏡補助下回盲部切除術を行った.術後は短腸症候群を併発したが,止痢剤と経口栄養補助剤を服用し,術後6カ月現在,栄養状態は改善している.放射線性腸炎は腸閉塞や瘻孔形成をきたし,治療に難渋することが多い.術式の選択,術後栄養状態の推移について,文献的考察を加えて報告する.

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