2022 年 83 巻 1 号 p. 19-23
右股関節痛で当院を受診.画像検査で恥骨骨転移・リンパ節転移を伴った進行性前立腺癌が疑われ,Ca 10.8mg/dl,PSA 219ng/mlであった.複合アンドロゲン遮断療法のための去勢術と前立腺生検を同時に行い,生検の結果,前立腺癌と診断した.ホルモン療法開始後2年4カ月でPSA上昇と恥骨骨転移のわずかな増大を認め,去勢抵抗性前立腺癌と判断した.高Ca血症が継続したため,ホルモン療法開始後2年7カ月でゾレドロン酸を投与した.PSAは低下したが高Ca血症は継続し,intact-PTH 99.2pg/mlと高値のため内分泌外科へ紹介となった.大腿骨骨密度検査で骨密度低下が認められた.手術では,術前に画像で局在診断できなかった長径2cmで全体に均一に薄い副甲状腺腺腫が甲状腺右葉上極背側に存在した.自験例のように進行した悪性腫瘍患者で高Ca血症を認めたなら,PTHやPTHrPを測定して鑑別診断しておくことは肝要である.