日本臨床外科学会雑誌
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症例
腋窩アポクリン癌と副乳小葉癌との鑑別を要した男性腋窩腺癌の1例
中村 祥一梅田 修洋西村 志帆村上 聡一郎笹栗 毅和
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2022 年 83 巻 1 号 p. 29-33

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抄録

症例は63歳,男性.3年前に右腋窩に20mm大の発赤調の低い隆起性皮膚病変を触知し,当院皮膚科を受診.視触診のみで悪性所見は乏しいと判断され経過観察の方針となった.3年後,病変が70mm大に増大したため再診し,切除生検では乳癌が疑われた.CT上,腋窩リンパ節は腫大しており,男性副乳癌や汗腺癌等を鑑別診断に挙げ,診断的治療目的に腫瘍切除術,腋窩リンパ節郭清を行った.切除標本の病理所見では,細胞間結合が弱い腫瘍細胞が索状配列を呈し増殖していた.免疫染色でE-cadherin陰性,HER2蛋白の過剰発現を認め浸潤性小葉癌が疑われたが周囲の正常乳腺組織を認めず,腋窩アポクリン癌も否定できなかった.最終的に両者の鑑別は困難であったが,免疫組織学的所見や臨床経過を総合し副乳小葉癌として加療を行った.術後補助化学療法と局所照射を行い,現在2年間無再発生存中である.

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