日本臨床外科学会雑誌
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症例
急性膿胸術後に発症した胸壁デスモイド腫瘍の1例
可児 久典山下 正勝服部 日出雄
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2022 年 83 巻 11 号 p. 1912-1917

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抄録

症例は49歳,男性.2年前に多発交通外傷で当院に救急搬送,大動脈解離,胃穿孔にて緊急手術,左血気胸にて胸腔ドレナージ,多発肋骨骨折にて保存的治療を行った.受傷2週間後に急性膿胸にて膿胸腔掻把術を行った.外傷急性期治療を終えて無事退院,経過観察となった.膿胸術後2年のCTにて,左胸腔内に胸壁より突出する2cm大の腫瘍を認め,精査にてsolitary fibrous tumorが疑われた.急速に出現しており早期切除が必要と判断し,腫瘍摘出手術を施行した.術後病理検査でデスモイド腫瘍と診断された.切除断端は陰性であったため追加治療は行わず,術後CTによる経過観察を行っている.胸壁デスモイド腫瘍は稀な疾患といわれている.今回,多発外傷,膿胸術後に発生した胸壁デスモイド腫瘍を経験した.外傷部位や手術創と一致せず,膿胸による広範な胸腔内炎症に起因する発症機序が考えられた.同様な症例報告はみられず,希有な症例と考えられたため報告する.

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