2022 年 83 巻 2 号 p. 306-313
症例は83歳,男性.左下葉結節の生検で非小細胞肺癌と診断された.Positoron emission tomography (PET) -CTでは,両側肺門縦隔リンパ節に集積があり,臨床病期III Bと診断した.化学療法前検査で白血球1,200/μLと白血球減少を認め,凝固能はPT-INR 5.16,APTT 107秒であった.抗核抗体5,120倍,抗DNA抗体9.9IU/mlと上昇しており,全身性エリテマトーデスと診断された.皮膚関節炎症状や腎障害は認めなかった.凝固能はビタミンK投与で正常化したが,白血球はステロイド投与でも上昇しなかった.治療開始1カ月後に左下葉肺癌は増大し,縦隔リンパ節は縮小したため手術を施行したところ,混合型大細胞神経内分泌癌であった.術後白血球数は回復し,肺癌や全身性エリテマトーデスの再発は認めなかった.経過より,全身性エリテマトーデス様症状は肺癌の腫瘍随伴症候群の可能性があると考えられた.