日本臨床外科学会雑誌
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症例
NEC成分と腺癌成分が非典型的な分布を呈した肛門管MiNENの1例
吉田 昂平豊福 篤志伊藤 一馬櫻井 晶子日暮 愛一郎四元 真司笹栗 毅和永田 直幹
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2022 年 83 巻 3 号 p. 557-565

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抄録

症例は89歳の女性で,2020年11月に肛門部痛が出現し,近医を受診した.肛門管癌の疑いで12月に当院に紹介受診となった.下部消化管内視鏡検査にて肛門管に腫瘍性病変を認め,生検ではneuroendocrine carcinomaの診断であった.一部に異型腺管上皮領域を指摘された.遠隔臓器に転移を認めず,2021年1月にロボット支援下腹腔鏡腹会陰式直腸切断術 + リンパ節郭清術を施行した.切除標本にて病変表層部にneuroendocrine carcinomaを深層部に腺癌の進展したまれな病理像を認めた.Mixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplasm,UICC TNM Classification System (8th Edition),Stage IIAの診断であった.術後の経過は順調であり,術後27日目に退院の運びとなった.

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© 2022 日本臨床外科学会
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