日本臨床外科学会雑誌
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症例
エリブリン・パゾパニブで30カ月病勢制御した乳腺悪性葉状腫瘍肺肝転移の1例
多山 葵三瀬 昌宏松井 優悟藤倉 航平山下 大祐
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2022 年 83 巻 4 号 p. 649-653

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抄録

症例は59歳,女性.56歳時に右乳房巨大悪性葉状腫瘍に対して乳房切除術を施行した.術後6カ月目のCTにて多発する肺結節を認め,悪性葉状腫瘍による肺転移と診断した.コントロール困難な糖尿病併発のため,ドキソルビシンを使用せず,エリブリンで治療を開始した.9カ月間,脱毛以外の有害事象は認めず,転移性肺腫瘍はlong SD(stable disease)を維持した.エリブリン開始12カ月後,一部の転移性肺腫瘍が増大し,さらに転移性肝腫瘍も認めたためPD(progressive disease)と判断し,パゾパニブに変更した.変更後18カ月以上経過した現在,高血圧,Grade1~2の下痢,味覚障害以外有害事象を認めず,転移性肺腫瘍は縮小し,肝腫瘍はSDを維持している.近年,悪性軟部腫瘍に対する新しい薬剤としてエリブリン・パゾパニブが注目されているが,悪性葉状腫瘍に対する報告は乏しい.本症例から,高い忍容性と長期間のclinical benefitを有した両薬剤は,悪性葉状腫瘍に対して有効な治療選択肢であると考えられた.

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© 2022 日本臨床外科学会
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