2022 年 83 巻 4 号 p. 790-793
患者は61歳の男性で,約20年前に右腋窩腫瘤(10cm大)に対して摘出術を施行し,病理組織診断は脂肪腫であった.その11年後に同部位に再発した腫瘤(15cm大)に対して2回目の摘出術を施行し,病理組織診断は同様に脂肪腫であった.その4年後に再発した同部位の腫瘤(5cm大)に対して3回目の摘出術を施行したところ,病理組織診断は脱分化型脂肪肉腫であり,剥離面の評価で断端陽性の可能性ありと診断した.術後1カ月ほどで同部位に5cm大の腫瘤を認め,脂肪肉腫の再発と診断し,可能な限りマージンをとって4回目の摘出術を施行した.病理組織診断は異型脂肪腫様腫瘍であり,前回認めた脂肪肉腫の像は認めなかったが関連する病変と考えられた.腫瘍は剥離面に近接していたため,術後に腫瘍摘出部を中心に右腋窩に計50Gy/25Frを照射した.その後は再発所見無く,5年後の現在でも無再発で経過している.