2022 年 83 巻 6 号 p. 1109-1114
症例は83歳の高齢男性.左側腹部痛を主訴に当院へ紹介となり,下行結腸癌腸重積と診断された.腹部症状が軽度であったため,待機的に腹腔鏡下結腸切除術を行った.術中所見で重積は自然解除されていた.機能的端々吻合で再建し,術後経過に問題なく退院となった.最終診断はStage IIであり,術後補助療法は行わずに経過観察の方針となった.現在まで,特に再発なく経過している.術前の画像評価で腫瘍部に石灰化を有していたが,術後病理検査で同部に骨形成が確認された.骨形成を伴う大腸癌は全体の0.4%程度と非常に稀とされる.また,成人の腸重積は全腸重積症例の6%と報告されており,中でも後腹膜に固定された臓器である下行結腸の重積は少ない.これまでに下行結腸癌の腸重積に骨形成を伴った症例は報告されていない.貴重な1例と考えられたため,報告する.