2022 年 83 巻 6 号 p. 1135-1140
症例は78歳,男性.近医で肝胆道系酵素の著明な上昇を認め,精査目的に当院へ紹介となった.造影CTで胆管拡張と,下部胆管の壁肥厚と造影効果を認めた.内視鏡的逆行性胆道膵管造影で下部胆管の狭窄と上部胆管の拡張を認めた.同部位の生検にて,胆管原発small cell neuroendocrine carcinomaと診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術後12カ月のCTで2箇所の肝転移が出現したため,化学療法としてetoposide(ETP)+carboplatin(CBDCA)を施行したところ,転移巣の縮小を認めた.術後20カ月が経過した現在,経過観察中である.胆管neuroendocrine carcinoma(NEC)は極めて稀であり,予後は非常に不良である.本症例では胆管NECの術後肝再発に対して化学療法が奏効した1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.