日本臨床外科学会雑誌
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症例
臀部膿瘍を合併した下行結腸癌の1例
中太 淳平馬場 秀雄高橋 剛志平野 琢土
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2023 年 84 巻 12 号 p. 1887-1892

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抄録

症例は70歳,男性.転倒による後頭部打撲で当院へ搬送された.左臀部の腫脹と発赤を認めたためCTを施行したところ,臀部膿瘍および下行結腸癌と後腹膜膿瘍を認め,緊急入院となった.下部消化管内視鏡検査で下行結腸に全周性2型病変を認め,生検で腺癌と診断された.左下肢骨折に対して左腸骨移植の既往があり,後腹膜膿瘍はその左腸骨欠損部を介して左臀部膿瘍に交通していた.人工肛門造設術とドレナージにより膿瘍は消失したが,残る瘢痕組織の完全切除には左腸骨合併切除が必要であり,過大侵襲を避けるため,瘢痕組織の切除は原発周囲から腸骨瘻孔部までとした.結腸左半切除術と人工肛門閉鎖術を施行したが,病理所見でも剥離断端に癌は認めなかった.術後42カ月経過した現在も,再発なく経過している.

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© 2023 日本臨床外科学会
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