日本臨床外科学会雑誌
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症例
上行結腸癌の腹膜播種結節との鑑別が困難であった肝孤立性壊死性結節の1例
安田 一弘寺師 貴啓髙山 洋臣池部 正彦板東 登志雄宇都宮 徹和田 純平卜部 省悟
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2023 年 84 巻 12 号 p. 1893-1899

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抄録

症例は81歳の女性で,上行結腸癌に対して腹腔鏡下右結腸切除術を行ったところ,腫瘍近傍の肝下面に3cm大の八つ頭状の白色結節を認めた.術前CTでは多発する肝嚢胞とともに肝S5に辺縁わずかに造影される低吸収域として認められた.周囲浸潤を伴う進行癌であったため,白色結節は上行結腸癌の播種結節が肝浸潤したものと判断し,肝部分切除術を併施した.肝切除標本は厚い被膜を伴う結節で内部に黄土色の粥状物が充満していた.病理検査で上行結腸癌は低分化型,深達度SS,リンパ節転移陰性であった.白色結節は壊死物質やコレステリン裂隙を含む嚢胞性病変で,被膜は硝子化した膠原線維と弾性線維から構成されており悪性所見は認めず,肝孤立性壊死性結節と診断した.肝孤立性壊死性結節はまれな肝内占拠性病変であり,術前・術中診断が困難なことが多い.これまでの症例報告46例を集積し,臨床病理学的特徴についての検討を加えたので報告する.

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