2023 年 84 巻 4 号 p. 554-559
症例は69歳,女性.胸部下部食道癌cT2N1M0,Stage IIに対し,術前化学療法としてDCF療法を開始し,1コース目のDay3にpegfilgrastimを使用した.Day12に腹痛・関節痛が出現し,Day14当院外来受診時に発熱および炎症反応の上昇を認めた.造影CTで大動脈周囲の軟部影を認め,G-CSF製剤による大動脈炎と診断した.その後は徐々に炎症反応改善を認めたためステロイドは使用せず,症状改善した.G-CSF製剤投与による大型血管炎の報告例は近年増加傾向だが未だ少なく,病態や治療法など不明な点も多い.今回,食道癌術前化学療法中のpegfilgrastim投与後に発生した1例を経験したので報告する.