日本臨床外科学会雑誌
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症例
粘膜を温存し固有筋層をマージンとして胸腔鏡下腫瘍切除した食道GISTの2例
倉橋 光輝出口 靖記大塚 一雄平田 耕司水本 雅己財間 正純
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2024 年 85 巻 1 号 p. 26-31

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抄録

食道原発のgastrointestinal stromal tumor (GIST)は稀な疾患で,被膜損傷のない外科的切除が原則だが,低悪性度症例は鏡視下に核出術を行う報告が多い.しかし,核出術のマージン確保や再発リスクについては詳細に検討されていない.

われわれは,切除マージン確保のために食道固有筋層を腫瘍につけて,確実な腫瘍切除を胸腔鏡下に行った食道GISTの2例を経験した.2例ともに偶発的に発見され,内視鏡下生検にて低悪性度GISTの術前診断であった.手術は,核出ではなく食道固有筋層に割って入り筋層を腫瘍周囲に付けることで,より確実なマージンを確保し粘膜を温存した腫瘍切除を行った.核出よりも欠損部は大きくなったが,縫合閉鎖可能であり,粘膜損傷や食道内腔狭窄は認めなかった.

低悪性度の食道GISTに対しては,食道切除再建は過大侵襲と考えられるが,単なる核出術ではなく,固有筋層を腫瘍側につける剥離層を意識することで,切除マージンを確実に確保した安全な腫瘍切除が可能であった.

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