日本臨床外科学会雑誌
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症例
空腸へのinvaginationをきたした十二指腸胃型幽門腺腺腫の1例
木下 颯花笠原 康平小坂 隆司秋山 浩利遠藤 格新井 拓真
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2024 年 85 巻 1 号 p. 32-37

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抄録

症例は71歳,男性.2年前より下血を自覚していた.嘔気のため受診し,血液検査にて貧血を認め,精査加療目的に入院となった.上部消化管内視鏡検査にて幽門周囲から発生し,Treitz靱帯を越えて空腸へ脱出するポリープ様の腫瘍を認め,十二指腸腫瘍のinvaginationと診断し手術を施行した.開腹し,Treitz靱帯から20cm肛門側の空腸に腫瘍先進部を確認した.腫瘍径が大きく口側への整復は困難であり,空腸を切開し腫瘍を導出してから茎部で切離した.術中内視鏡にて十二指腸球部に基部を確認し,十二指腸壁を全層で部分切除した.腫瘍は90mm大で,病理学的組織検査で幽門腺腺腫と診断した.術後合併症はなく退院した.術後1年のフォローアップで無再発であった.幽門腺腺腫が十二指腸に発生することはまれであり,また十二指腸球部から発生した腫瘍がTreitz靱帯を越えて空腸まで逸脱する症例はまれである.

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