日本臨床外科学会雑誌
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症例
治療中断後3年6カ月完全奏効中のStage IV HER2陽性乳癌脳転移の1例
稲熊 凱井戸田 愛小林 宏暢
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キーワード: HER2陽性, 脳転移, 完全奏効
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2024 年 85 巻 10 号 p. 1358-1364

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抄録

症例は初発時年齢60歳,女性.6カ月前から増大する右乳房腫瘤を主訴に,2017年12月に近隣クリニックから当科に紹介された.針生検で右浸潤性乳管癌,ER(-),PgR(-),HER2 score(3+)と診断した.精査で右腋窩リンパ節転移と骨転移を認めたため,2017年12月からtrastuzumab+pertuzumab+docetaxelを開始した.治療経過途中に臨床的完全奏効(clinical complete response:cCR)を得られたため2018年5月からtrastuzumab+pertuzumabに変更したが,2018年12月に小脳転移が出現した.小脳転移に対する放射線治療は奏効したが,trastuzumab+pertuzumabの副作用で左室駆出率(left ventricle ejection fraction:LVEF)が低下したため2019年1月から2019年7月まで無治療経過観察となった.LVEFの回復を確認して2019年8月から2020年7月まで抗HER2療法を再開したが再度LVEFの低下を認め,以後治療を中断している.現在放射線治療後5年1カ月,抗HER2治療中断後3年6カ月経過し無治療でcCRを持続している.

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