日本臨床外科学会雑誌
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症例
83歳男性に発症した進行副乳癌の1例
大島 祐貴深谷 由美細谷 恵子田中 裕子若原 誠
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キーワード: 副乳癌, 男性, アポクリン癌
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2024 年 85 巻 12 号 p. 1656-1660

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抄録

症例は83歳,男性.右腋窩からの浸出液を契機に当院皮膚科を受診,右腋窩に自壊腫瘤を認めた.生検にてアポクリン癌,ER陰性,PgR陰性,HER2 2+,AR陽性,GCDFP-15陽性の診断となり,副乳癌の疑いで当科に紹介となった.全身精査で右腋窩リンパ節転移,右第5肋骨転移,第4胸椎転移を認めた.局所制御目的に腫瘍切除および右腋窩リンパ節郭清を施行した.病理組織学的には明瞭な核小体と弱好酸性顆粒状細胞質を有する異型細胞が塊状,小胞巣状ないし索状増殖を示しており,腫瘍内に乳腺組織を認めた.ER陰性,PgR陰性,HER2 2+,GATA3陽性であった.以上の所見より,右副乳癌と診断した.高齢,また多数の既往疾患を有する患者背景を鑑み術後の全身療法は行わず,局所療法として放射線照射を施行した.男性副乳癌に関する過去の報告は極めて少なく,非常に稀な1例であったと考えられる.文献的考察を交えて報告する.

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