日本臨床外科学会雑誌
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令和5年度学会賞受賞記念講演
門脈圧亢進症~新コンセプトsplanchnic caput Medusaeと低侵襲治療~
近森 文夫
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2024 年 85 巻 5 号 p. 579-598

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抄録

かつて門脈圧亢進症は外科疾患であったが,現在若い先生達は内科疾患だと認識している.自分は大学を辞して帰郷した時,学術活動はギブアップするしかないと思っていたが,近隣の病院から患者さんを紹介いただき,学術活動を継続することができた.この領域一つでも追及することができて幸せだったと思う.自分も含めて外科医は切りたい病者である.形態を修復することにより病気を治すのが外科医であるが,その手段にはこだわらなかった.内視鏡的食道静脈瘤硬化療法(EIS)は低侵襲治療の先駆けであった.外科医としてスタートした当初,EIS(高瀬法)の手技はすでに完成していたので,自分は経皮経肝門脈造影(PTP)をEIS前後で施行しその閉塞形態や血行動態変化を探求した.この仕事は臨床医としての自信を与えてくれた.食道静脈瘤に対するEISの成績は良好であった.一方,胃静脈瘤に対するEISの成績は不良であったことから,カテーテル治療を探求することとなった.現在後者の手技は欧米でも受け入れられている.古典的なcaput Medusae コンセプトと異なり,splanchnic caput Medusaeは腫大した脾臓を顔,門脈側副路全体を蛇髪とみなす新コンセプトであるが,目的はその形態をリバースし,肝静脈圧較差を下げて系統的に門脈圧亢進症を治療するところにある.内視鏡ができ,DSA装置が使用でき,緊急開腹手術もできるような老後でありたいと今強く思う.

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