日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
胃癌に併存し小腸が腹膜囊で被覆された腸回転異常症の1例
鶴嶋 史哉中村 威鈴木 将平小關 優歌星川 竜彦仲丸 誠
著者情報
キーワード: 腸回転異常症, 腹膜,
ジャーナル フリー

2024 年 85 巻 7 号 p. 905-909

詳細
抄録

背景:腸回転異常症は胎生期における腸管の回転または固定が停止することで発生する.固定されていない腸管が膜様の組織で被覆されている報告は過去に1例しかなく,本症例は2例目の報告である.症例提示:症例は75歳の女性で,上腹部痛を契機として胃癌が発見され,手術適応と判断された.術前CTで腸回転異常症が指摘され,術中の開腹所見では腹膜様の囊に包まれた小腸を認めた.この膜様組織は切開を加えて切除し,病理検体として提出した.患者は術後問題なく退院し,外来で再発なく経過フォローされている.組織学的に小腸を覆っていた膜様組織は中皮細胞を認めていること,染色結果から腹膜として矛盾しない診断であった.結語:膜様組織で被覆された腸を認めた腸回転異常症の症例は,過去に1例しか報告がない.本症例では組織学的診断を加えてこの組織が腹膜であるとの診断に至った.今後は更なる症例の報告によって発生要因の追求が必要である.

著者関連情報
© 2024 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top