日本臨床外科学会雑誌
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症例
腸閉塞を契機に診断されたappendiceal goblet cell adenocarcinomaの1例
岳藤 良真野口 琢矢松田 佳恵永島 瞭太朗柴田 浩平近藤 能行
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2024 年 85 巻 7 号 p. 927-934

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抄録

症例は74歳,男性.下腹部痛と腹満感を主訴に受診し,CTで腹腔内膿瘍に起因する腸閉塞と診断された.虫垂構造は不明瞭であった.保存的治療で軽快したが,9カ月後に腸閉塞を再発した.膿瘍治癒後の癒着性腸閉塞の診断で,保存的加療を行うも改善に乏しく,手術を施行した.腹腔鏡下に虫垂とS状結腸間膜・回腸の癒着を認め,虫垂および回腸切除術を施行した.病理検査結果はWHO分類第4版における虫垂mixed adeno-neuroendocrine carcinoma (MANEC)の診断で,二期的に腹腔鏡下右半結腸切除術(D3)を施行し,最終診断はWHO分類第5版における虫垂goblet cell adenocarcinoma(GCA),T4bN1aM0 Stage IIIbであった.術後46カ月無再発で経過し,他病死した.虫垂GCAは2019年にWHO分類で新たに認識された疾患概念で稀な腫瘍で,今回,腹腔内膿瘍の治療9カ月後に再燃した腸閉塞を契機に診断された虫垂GCAを経験したので,文献的考察を加え報告する.

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